精神分析的心理療法

人は日常生活のあらゆる出来事を心で処理しながら生活しています。けれども、自分の心で処理できる範囲を遥かに越えた不安や恐怖、ストレス、葛藤(矛盾した2つの考え)に出会うと、心が上手く働かなくなり、様々な心の病となって現れてしまうことがあります。また、頭ではわかっているのにいつも同じような悪循環にはまってしまうというようなことも起こります。 

このようなことが起こるのは、心の悩みや苦しみの背景には、無意識のとらわれがあるからだ、と精神分析は考えます。人の心には自分ではわからない無意識の領域があり、無意識のとらわれによって、何らかの症状や悩みが生まれたり、同じような対人関係上の問題が繰り返されたりすることがあるのです。そして、こうした状態になると、人は自分が何を考えているのか、なぜ今のような状況になってしまったのかといったこともよく分からなくなり、ただ自分や他人を責め続けたり、不安なことを頭のなかでぐるぐると繰り返すだけで、身動きが取れなくなったりもします。

精神分析的心理療法は、フロイトの創始した精神分析を応用した心理療法で、今ある困難を語るだけでなく「心に浮かんだことをどんなことでも話す」という方法によって進められます。それは、今ある問題や生きにくさや症状が、これまでの生き方と密接に結びついているという考えを元にしています。こうした作業を毎週決められた時間に繰り返し行っていくことで、ハウツー的な問題解決では届かない、心の深い部分にある悲しみや痛みに対し、ゆっくりと時間をかけて取り組みます。そして、セラピストと共に、自分の心の内側(特に無意識の領域)や、自分と周囲の人々との関係のなかで起きていることを理解していくことで、そこで沸き起こる情緒を味わい、体験していくことで、心の中に自らものを抱えることのできる自由なスペースが広がります。

その結果、考える力が養われ、心を病むことなく、これまで対処しきれなかった現実にも立ち向かえるようになります。また、心の底にある自分自身の気づかなかった部分を理解することで症状や悩みに対処しやすくなり、過去の人生を自分の中にうまく収められるようになり、自身のあり方や人との関わりかたも自然と変化していきます。そして、この療法は症状や問題の解決のみを目指すのではなく、無意識のとらわれから自由になり、より自分らしく、自分に嘘をつかない生き方を可能にします。

この心理療法は、抑うつや不安、神経症と言われるような様々な症状をお持ちの方以外にも、対人関係の問題を抱えた方や、自分の問題が何かはっきりと分からないけれども漠然とした不安や生きづらさを抱えた方、生き方に悩んでいる方、自分自身のことを知りたい方などにもお勧めです。

こころのドア船橋

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